[ラン]灼熱の奥武蔵ウルトラマラソン!(後篇)
後篇です。奇跡の逆転完走なるのか?!
清流~ユガテ
そう言えばさっき、清流のボランティアスタッフの方が言ってました。
「ここまで来たらあとはきつい登りはないわよd(^-^)」と。
はい、確かに急勾配はここまでなんです。が、ここからは地獄のアップダウンが始まります。
感覚的に言うと、標高で50メートル獲得しては30メートル下ってロスしてしまう感じ。
ただ、山に入ってからは木陰もあり、下界で苦しんでいた頃よりは随分と楽になって来ました。
脛の辺り、脚がつりそうになりますが、前向きに「行けるとこまで行こう」と思い始めています。
「もう登れない」と感じてからの50歩も、遅まきながら実践し始めました。
ユガテ~黒山~顔振
登りは相変わらずです。下りは何人かをパスできるくらいにはなって来ましたが、同時に新たな問題も発生していました。
「腹、痛っ!」
ぶっちゃけ、便をもよおしてます。そういえば今日は朝も行ってませんし、エイドごとに水やコーラを大量に入れてますから、危険なゾーンに突入するのも時間の問題。
どうにか黒山まではたどり着いたけど、トイレが空いてなくて断念。
さらに…。
ユガテあたりから現れていた雲は急激に存在感を増し、雷鳴がとどろき始めています。
文字通り、上もゴロゴロ、下もゴロゴロになってきました。見渡せば幸いにも周りは森。最悪、その中に入ってしまえば人間としての尊厳を失うことはありませんが、ランナーとしての誇りを失ってしまいそうな気がします。何てことを考えて気をそらしながら、どうにか顔振のエイドに到着!
この日初めて見るビキニギャルにも目もくれずトイレに駆け込み、しゃがむのと臨界点に達した瞬間がほぼ同時に訪れ、私の尊厳は失われることなく保たれたのでした。
「フーッ」
安堵とともにトイレのドアを開けた瞬間、私の目に飛び込んできたもの…。
収用バス(さらに空席数1)。
この、絶対的にリタイアを促す状況下、あなたはあと44キロ走れますか?
はい、私は無理でした。
というか、不思議なほどに何のためらいもなく。
こうして真夏の祭典は、消化不良のまま、呆気なく終わってしまったのでした。
次回、反省篇に続く。
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